無意識の中にある意識

有象無象の石ころみたいなもんです

巡りくる季節、移りゆく心

季節の移り変わり。

 

 

春は新緑が芽吹く夏の季節に嫉妬している。

夏は実り豊かな秋の季節に嫉妬している。

秋は幻想的な冬の季節に嫉妬している。

冬は新たな門出の春の季節に嫉妬している。

 

夏は雪景色の凍った冬の湖を夢見ている。

秋は鮮やかな春の花々を夢見ている。

冬は暖かな夏の日差しを夢見ている。

春は夕日に染まる黄金色の秋の穂を夢見ている。

 

秋は時の流れと肌寒さを感じ、夏の陽気を懐古している。

冬は風に流れる侘しさを感じ、秋の夜長を懐古している。

春は手元を離れた空虚さを感じ、冬の結束を懐古している。

夏は燦爛たる騒々しさを感じ、春の温和を懐古している。

 

冬は別れから出逢いを願い、

春は出逢いから繋がりを願い、

夏は繋がりから親しみを願い、

秋は親しみから一生を願い、

その願いは儚く、露と消え、昇華し、生まれ変わって帰還する。

そしてまた、願いは季節とともに移りゆく。

 

季節とともに人の心も移り変わり、変わらない過去と想像した未来を想い、願い、忘れ、そしてまた形作って繰り返していく。

僅かに残った涙の結晶は、生きてきた証を艶やかに映し出しながらも、刻々と形を変えて、季節の流れに静かに溶けていく。

涙となって流れた想いはそれぞれの季節を彩り、涙の先に見える景色は、いつか描いた夢や希望を照らしてくれるだろうか。

 

 

季節の移り変わり、心の移り変わり。

変わりゆくものを止める手立てはないかもしれない。

それでもまた、ここに戻ってくる。

巡りくる季節とともに、新たな願いをその心に宿して。

ここにある一日の始まり

春のとある一日。

ふと、立ち止まってみた。

いつもの道で行き交う車、みんなどこに行くんだろ?

朝から走ってる人がいる、すごいなぁ。

子どもとお母さんが一緒に手を繋いで歩いている、可愛いなぁ。

 

 

特に何をするでもなく、煙草に火を点け、深く吸い込んだ白い煙を、ため息と一緒に空に向かって吐き出す…

 

あ、最近上を向いたのっていつだったっけ?

別に新しい発見は無いし、空は太陽が見えない曇り空だし…

そしてまた携帯を手に取って、顔は自然と下を向く。

やっぱりあの人から連絡は無いか。。。

 

 

また一服、でも煙はやっぱり上に向かって…

たまには上を向くのもいいのかな。

携帯を見る回数を減らしてみようかな。

 

別に今の状況に不満があるわけでもないし、かといって満足してるわけでもない。

幸せだとは思うけど、何か楽しみがあるわけでもない。

悲しくはないけど、どこか虚しい。

 

変えられるなら変えたいけど、変わらないなら変わらなくていい。

むしろ変わらなくてもいいかもしれない。

煙草の煙はいつだって白くて、掴みどころのない形のまま、吐き出した悩みと一緒に霧散していく。

 

さて、何しようか。

背伸びをして、大きく深呼吸をしたら最後に一服…

やる気と一緒に吐き出したら、当てもなく歩き出そう。

 

向こうに虹が見えるなー、今日は何か良いことがあるかもしれない。

眩しくもない空を見上げ、目を細めながら少しだけ口角が上がる。

 

こんな日があってもいいか。

そして今日も生きてみよう。

いつかまた、こんな日をかけがえのない日だと実感するために。

もしも僕が花になったら

もしも僕が花になったら…

 

春の桜になって、たくさんの笑顔の人たちに囲まれたい。

みんなが僕を見て、仲良くなって、温かい気持ちになって欲しい。

たまに、花より団子な人も見たいかな、、、

 

 

 

もしも僕が花になったら…

 

夏の向日葵になって、うーんと太陽に背伸びしたい。

子どもたちが僕を見て、「ヒマワリみたいに大きくなるぞ!」って言って欲しい。

下を向いている人が、僕と同じ方向を向いてくれるといいな、、、

 

 

 

もしも僕が花になったら…

 

秋の秋桜になって、秋風のハンモックに揺られたい。

大人の人が僕を見て、素敵な恋を見つけようってなって欲しい。

わがままな人が、少しでも謙虚になってくれるといいな…

 

 

 

もしも僕が花になったら…

 

冬の待雪草になって、雪とのんびり音楽を聴きたいな。

君が僕を見て、大切な人にそっと寄り添って欲しい。

寂しくても、1人じゃないよって思ってくれるといいな…

 

 

 

もしも、僕が花になったら…

 

誰も知らない、名もない道端の花になってるかもしれない。

誰も気にしない、たくさんの花のうちのただの花かもしれない。

邪魔だな、いない方がいいのに、って思われる花かもしれない。

 

でもね、一生懸命花を咲かせたんだよ。

いつか誰かに気付いて欲しくて、可愛いねって褒められたくて…

一生に一度しか咲かない花かもしれないけれど、そんな僕を誰かが必要として欲しい。

ただ側にいて欲しい。

 

 

 

 

 

 

 

もしも君が花になったら…

 

この世に一つだけの花。

いつまでも、君と一緒にいたいな。

もし枯れてしまっても、その種を植えて、大事に育てて、花を咲かせて、また君に会いたい。

花がいつ咲くか分からなくても、ずっと待ってるよ。

 

そして、もし僕がいなくなっても、君の横で、一生懸命花を咲かせるから。

咲くのが遅いかもしれないけれど、

好みの花じゃないかもしれないけれど、、

 

桜みたいにみんなを笑顔にして、

向日葵みたいにみんなを元気にして、

秋桜みたいにみんなを和やかにして、

待雪草みたいにみんなをそっと癒して、

そんな素敵な花じゃないかもしれないけれど

君の心を照らす花になれればいいな。

 

だから、どうかその小さな種を捨てないであげてください。

あなたのその優しさで、種を育ててあげてください。

そして、あなたのその優しい心の花を忘れないでください。

 

もしも僕が花になったら、君の優しさで包まれますように。

 

 

 

心の石

これまでどれだけ過去を後悔しただろう。

これまでどれだけ未来を願っただろう。

これまでどれだけ自分を責めただろう。

これまでどれだけ人を傷つけただろう。

 

過去には戻れないし、自分の望んだ未来を作れるわけでもない。

ただ、進むだけ。

ただただ、止まれないだけ。。

もし立ち止まって、悔恨の日々を送れるなら、どれだけ楽になれるだろうか。

もし道を照らして、歩むべき先が見えるなら、

どれだけ幸せになれるだろうか。

 

 

これからどれだけ行動を悔やむだろう。

これからどれだけ未来を憎むだろう。

これからどれだけ自分を戒めるだろう。

これからどれだけ人を裏切るだろう。

 

 

ただ、譲れないだけ。

ただただ、自分の信念を貫くだけ。

出来るわけがない、そんなの無意味だと嘲笑われるかもしれない。

もし成し得たとしても、他人にとっては、ただの無価値なものでしかないかもしれない。

 

でも、この手に残る小さな石だけは、決して無くさないと決めたんだ。

ちっぽけだけど、

宝石みたいに立派ではないけれど、

握りしめたら壊れそうだけど…

すぐにでも飛んでいきそうなこの心を繋ぎ止めてくれるこの意思だけは、離さない。

 

いつかこの石が、誰かの意思となって輝ける日が来ることを願って。

 

 

嫌なことを忘れるために

嫌なことがあったな

むしゃくしゃするな

違うこと考えたいな

 

そんな人に見て欲しい

どうか、最後まで読んでください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだまだ続くよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後もう少し

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後まで見てくれてありがとう。

 

え、終わり?

何これ、ふざけんな?

意味分からんし?

マジくだらない。

 

 

そう思いましたか?

そう思ってくれたなら、一瞬だけど…

嫌なことを忘れられたんじゃないでしょうか?

 

たまには、こんなバカみたいなこともいいかもしれませんね。

 

 

最後に、ごめんなさい。

こんな内容で気を悪くさせてしまったら。

代わりに好きなことで鬱憤を晴らしてください!

小さな贈り物

小さな町のある1人の男の人の物語。

彼は、何か特別に秀でてている人ではありませんが、強いて言えば、笑顔の多い人という印象でした。

 

 

今日もいつもと同じ日常を過ごしていました。

でも、ほんの少しだけ、疲れが溜まっている様子。

体がちょっと重いような、何だか眠気が取れないような、そんな僅かな違和感を感じました。

「大丈夫、疲れがちょっと溜まってるだけ」

そう言って、何事もなかったように日常に戻ります。

 

またある日、この前と同じような違和感を感じました。

「大丈夫、何も心配ない。すぐに良くなるよ」

そう言って、またいつもの日常に戻ります。

 

でも、その日から少しずつ、彼も気付かないぐらい小さな綻びが彼を蝕んでいきます。

「何か調子が悪いなぁ」

いつもと同じ生活をして、いつもと同じ笑顔で過ごしてるのに、心だけが取り残されてしまってるような、自分だけがここにいないような、そんな感覚です。

そして次第にそれがモヤになり、霞になり、霧になり、心を見失ってしまいました。

 

「大丈夫」

言い聞かせるように言葉を発しますが、根拠も自信もありませんでした。

「大丈夫、笑えるんだから」

顔はいつもの笑顔ですが、悲しいことに本当の笑顔が思い出せません。

「大丈夫、悲しくないから」

でも、悲しいという気持ちすらも見えなくなってしまいました。

「……」

大丈夫、その言葉でさえも黒い霧が喉の奥の方に引っかかって、出せなくなりました。

 

「まずは深呼吸をしよう…スーッ……」

でも、深呼吸のつもりが深いため息に変わります。

「もういっそのこと、このモヤモヤもため息と一緒に出ていってしまえばいいのに」

 

 

やることなすこと全てが空回り。

やる気はあるけれど、体を動かす信号は止まったまま、泣きたいけれど、涙は心の奥底に沈んだまま。

「何でこんな気持ちなのに、笑顔が出せるんだよ…」

それは、彼なりの精一杯の助けて欲しい、という合図でしたが、周りからは「いつもの笑顔」としか認識されませんでした。

 

「誰にも理解されることはないな、もうこのままでいいや」

彼は抗うこともすがることも、とうとう諦めてしまいました。

 

そんな気持ちのまま過ごしていると、1人の少女が友達と楽しそうに話しているのが聞こえてきました。

その少女の声は、幼さのある声でどこか儚げでしたが、彼にとってはなぜが居心地が良く、心に沁み渡る声でした。

彼は少女たちの会話にひと時の安らぎを感じ、癒しのBGMとして耳を澄ませていました。

 

ふと、会話の中でその少女が「大丈夫だよ」と発すると、黒い霧に覆われていた彼の心に一縷の光が突き抜けていくのを感じました。

慌てて少女の方を見ると、屈託のない笑顔で友達に「大丈夫、大丈夫」と声をかけていて、その友達も自然と笑顔がこぼれていたのでした。

 

彼が今まで自分を戒めるためにかけてきた言葉と同じ言葉なのに、少女の言葉はそのしがらみをそっと解いてくれる、温かな優しさを纏った言葉でした。

「そっか、『大丈夫』っていうのは、自分に言い聞かせるものではないんだな。

 相手の気持ちに寄り添う優しい言葉なんだな」

彼は、少女が贈ってくれたその小さなふわふわした言葉を、割らないように、丁寧に丁寧に掬って心の中にしまいました。

 

また心が蛍みたいにポワっと光るのを感じると、ふと、心が曇ってしまった時のことを思い出しました。

「そういえば、周りのみんなが『大丈夫?』と声をかけてくれていたな。

 優しい言葉を無視してっしまっていたんだな、悪かったな…」

彼は後悔し、申し訳ないと思いながらも、大丈夫、次からはきっとその言葉が聞こえる、心を明るくして決心しました。

そして、『大丈夫』の言葉を自分ではなく、周りに伝えていこうと。。

 

 

 

『大丈夫』…彼にとっては、特別でもないありふれた言葉、いつも耳元で囁いていた言葉でした。

でも、とある少女が口にした『大丈夫』は、彼にとっては特別で、初めて聞いた言葉になりました。

綺麗ごとだとしても、それが一つの小さな贈り物になって、誰かの心にきっと届くのです。

 

彼はもうその少女と会うことはありませんでしたが、いつまでも少女の言葉が心に灯り、自分に「大丈夫」を言わなくなったそうです。

そして彼の言葉と笑顔が、周りを明るく変えてくれるようになったそうです。

 

 

「大丈夫」じゃなくても大丈夫。

一言だけでもいいから、声をかけてあげてください。

ちっぽけな言葉でも、その人にとっては代え難いあなたの言葉として届くと思いますよ。